2022/10/12

岩手県ウニ漁の数量・販売価格が震災後最高

欠畑商店の欠畑直之です。
久しぶりに新聞に目を通していたら、気になる記事が・・・

本県ウニ漁 数量 販売額 震災後最高

この記事を、みなさんが読めば「ウニは儲かる」と思うはずです。
確かに、ウニの需要はここ数年で更に高まって来ているように思います。


しかし、ウニに携わっている加工業者達は、今年ほど苦労した年は恐らくないと思います。
2015年が1キロ辺り7,000円程に対して今年は1キロ辺り12,000円程で、7年前より1キロ辺り5,000円程高くなっている事になります。

さて、なぜこんな状況になったのでしょうか。

岩手県のウニ漁は約3か月と短く、その年の相場は蓋を開けてみなければわかりません。

うにの入札には2種類あり、1週間に決められた曜日に開口がある現品入札と、波が穏やかな日に開口がある期間入札とあります。

ウニの加工品であれば、たった3か月で1年間分の商品の在庫を確保しなければならないのです。これくらいの値段であれば、どのくらいの利益が出るのかを経営側はもちろん考えます。

しかしながら、今年は予想よりもはるかに高い単価で入札がどんどん進められていきました。


それはなぜなのか....?

不安定な天気が続き、まとまった水揚げが5月〜6月に続かなかった事。
また、冷水が入り、海藻がたくさんついてウニが獲りにくかったのに加え、わかめが胞子を出す時期がちょうど繁忙期に重なり、水の濁りの影響でウニの量が思ったように獲れなかった事がこの高値が続いた理由になります。
1か月間まともにウニ漁が出来なかった時もありました。

コロナの影響で、家での生活が増えた事によって、通販の需要が増えたのではなく、繁忙期の時期に安定したウニの水揚げがなかった事から、後半に大手業者の買い占めが始まった影響で、高値で買わざるを得ない状況になっていったのです。

また、ホタテの高値や鮭やイクラの不漁が年々続いている事から、ウニは安定して集荷出来ていた事から、業務をシフトチェンジした加工業者が増えて来た事も理由の一つになります。

新聞記事でポジティブに見える記事でも、裏側では多くの方々に様々な影響があります。

自分達の商品を守り抜く為に、今年のウニの集荷は意地とプライドで挑みました。
「欠畑さんの潮うにが一番だ」「この潮うにしか食べられない」「今まで食べたうにで一番美味しい」お客様からのお褒めの言葉に救われています。

価格高騰という大変な状況ではありますが、商品の品質を下げることなく、より安心・安全な商品作りと丁寧な対応で美味しいうにをお届け出来るように頑張っていきます。